第107回カットコンクール優秀作品「潜土艦」
作品名:「潜土艦」
作者:サミュエル・ジャナス【オーストラリア/キャンベラ】
ほほぉ、これはなんともSFっぽくありつつ充実した作品ですな。いろいろと突っ込みどころ満載で大雑把な感じは否めないが、「ほほぅ~」と何度も唸りたくなるのは私だけだろうか。まず特徴的なのは、タイトル通り飛行機のような潜土艦なる乗り物が地面の中を飛んでいるのである。埋まっているように見えてしっかりと前方へ進んでいる。これは職人の技術なのか魔法なのかは分からないが、専用の通り道が無い土の中を自由に進む姿は圧巻の一言。きっと先端の尖がり部分に秘密がありそうですわ。そして、地面に生えている木の立派さよ。根がしっかりとしていて安心感。よーく見ると木の根っこに木の精霊がいて「やぁ」と挨拶をしていますな。モグラのような生物が楽しげに歩いていたり、潜土艦の下には縄文土器があるのが土の中っぽさがあり実によい。上にいる少年が手を広げて「さぁ、これが私の住む世界です。大地に根を張れば張るほど、いろいろな奇跡が起こり始めるんですね。」と笑顔で言っていそう。「木になっている果物がとても気になる」という一見ダジャレのように聞こえる理由で今回の優秀作品にしたのです。(教頭)
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